いつまで経っても何も起こらない様子に目を開ける。



｢音羽！危ないだろ！何してる、、？！｣



どうやらノアが攻撃を寸止めで取り消してくれたらしい。



｢ダメなの…この人…消しちゃダメ。この国のルールとか野放しとか人間の私には分からない…｣



そう、人間の私には…部外者の私には分からない話だけど…



｢この人泣いてた…この人にも大事な人がいる！ロンくんとママ…苦しかったんだよ…！だからダメ！たくさん酷いことされたけど…私こうして生きてる…誰一人死んでない！｣



多分…目を見て操られた時…


その時にあの男の人の感情が流れてきた。


迷子になってたロンくんのパパさんだったのね…


苦しくて悔しくてでも大事な人のためにと変わっていってしまった…


そして私たちを襲ってきた。


ほかの倒れている人達もそうだ。


何かしらの苦しみがあった。


それを野放しと一括りにされ、はぶかれていき…。



｢そして何よりもノア…もうそれ以上その手を汚してはいけない…その手はみんなを幸せにするもの。私なんかのせいで汚して欲しくない…｣



わがまま言っているのはわかってる…


だけどこれは譲れない…