狼の王さまに笑顔を。

思い出す、ノアを刺してしまったこの手…



「ノア…ごめんなさい…私…」



泣きながらノアに縋って謝り続けた。



「音羽!!俺の顔を見ろ。あれは俺が仕組んだこと、音羽は悪くないんだ。大丈夫だから落ち着け…」



頬に手を添えて私の目を真っ直ぐ見つめる赤い目。


その目に安心して少し落ち着いた…



「なぜ…死なないんだ…」



男が力が残っていないであろうのによろよろと立ち上がって話しかける。



「お前…救いようのないやつ…今すぐ消してやるから楽になれ」



ノアが手を出し男に向けた。


何が呪文を唱えていた…