狼の王さまに笑顔を。

そうだ…


前にローレスが言っていた。


音羽は俺を大事に思ってるいると。


その俺を傷つけたとなれば…


いつもの音羽に戻るかも…


だがこの剣にはなにか呪文が唱えられてある…


普通の剣だったら俺の治癒力からしてすぐに治る…


多少の術は免疫力がついているからなんとかなるか…


どーなるか分からないから下手したら俺が死んでしまうかもしれないな。


まあ俺が傷つくのはいい。
受ける寸前に急所をずらせば死ぬ事だけは逃れられるだろう…


それをやって音羽が元に戻るという保証はない…


音羽の良心を利用するような形になってしまうのも心苦しい…


ただ、問題はそれで目覚めた時の音羽が心配だ…


音羽は優しいからそんな俺を傷つけたとなれば自分を責めてしまうんだろうな…


が、今はそれしか方法が無い……か…


迷っている暇はない。


はやく音羽を解放してあげないと…



「エレナ、ジル。お前達は屋敷に入れ。ジルは手当を急げ。いいか、絶対に外を見てはならぬ。他の奴らにも言っておけ。」



「で、ですがノア様!!!」



少しでも傷つくものを増やさないために…


門の中にいれば…敵意のある者は中には入れないからひとまずは安心だ。


それにそんな姿を見たら騒ぐに決まってる…




「命令だ。いいから早く行け!」



初めて見せる威圧的な俺に驚き渋々納得したのかこっちを見ながらも中へ入っていった


それを確認した俺は計画を実行する。