ノア side



まさかこの男が操る能力を持っていたとはな…


油断していた…


音羽がその目を見てしまった以上、操られてる可能性が高い…




「…音羽…??」



下を俯く音羽に恐る恐る声をかける。


何も反応してくれなかった…



「フハハハハハハ!貴様らの声なんざこの女には届かない。さあ、女。こっちへ来い。」



「やめろ!行くな!」



歩き出す音羽の腕をつかんだ。



「…触るな。」



そう振り払い男の元へ行く。


正直驚いた…
睨んでいるその顔は音羽であって容姿も声も音羽そのもの。


なのに、中身は……もう音羽では無かった。



「クククッ……最高だな!まさか王様のこんな顔が見れるなんてな!そんなに大事か?この女が!」



持っていた剣で音羽の頬をぺちぺち叩く。



「お前は…何なんだ…そんな事をして俺になんの恨みがある。」