光の中を抜けると…
そこには自然に囲まれ、だけど田舎過ぎずで住宅が広がっていた。


大して賑わってるわけでもなく、静かでもない、ポツポツ人がいるという穏やかな感じだった。


今までいた所とまるで違う風景に、ふと振り返ると…


森はあっても出てきた出口は塞がっていて、中を少し歩いてもただただ森が続いてるだけだった。



「ちょ…ええ?!来た道が塞がってる!!!」



と1人で騒いでいた。



とりあえず…あそこにいる人に聞いてみよう…



「すみませーん!」



帰り道を聞こうと声をかけると驚かれた。



「何故あなたのような人がここに居るの?迷い込んだのかい??」



あれ、私ってここに居ちゃいけない人??


もしかして場違いな所に居るのかな??



「あの…私あの森の向こうから来たんですけど…何故か来た道が塞がってて…」



「本当にたまーにね、あなたみたいな人間がこの世界に迷い込む事があるの。だけどごめんね、帰り道は私には分からないわ…」



「私のような人間?世界??ここってどこなんですか??」



「ここはね、ルーティオといってね。あなたの住んでる人間の世界とは別の世界なのよ。そして私は人間では無いわ。」



どこからどう見ても人間の姿に?を頭に浮かべると、目の前にいたおばちゃんが小さいうさぎに変わっていた。



「え!!!?うざき?!なんで!!」



またしても1人で騒いでいると元の人間の姿に戻ったおばちゃんが話し出す。



「ここは言わば…動物たちの世界かしら??普段は人型であるけれど。そしてそうでない者もいるわ…」



「動物の姿でいる時は喋らないんですか??」



「いえ、喋れるわ。だけどあなたの様な人間には通じないと思うの。人型であるこの姿なら、伝わるでしょうけど。」



なるほど…


どうしよう…ファンシーな世界に来ちゃったってことだよね!!
完璧私の好奇心旺盛な性格のせいじゃないか!!


と思いつつも興奮している私は能天気だと思う…
帰り道がわからないというのに。


まあ、人生楽しく生きたければ起きてしまったことを嘆き後悔するよりもこれからをどうするかだよね。


よし、他の人を探してみよう。



「あの!他あたってみます!色々教えてくれてありがとうございました!」



「いいえ、だけど気をつけてね。ここらは野放しになっている者も多いの。」



忠告を聞き、余り安全なところでは無いなのだと思い歩き出す。


住宅の中を歩いていくと、一際目立つ洋風のお屋敷が建っていた。


歩く足を進め、建物を覗く…


これだけ大きいお屋敷なのに門番的な人も居なかった。



「なんだハズレかー…」



ショックを受けながらも気を取り直してほかを探そうとしたら


木の影に誰かいるのが視界に入った。



「やった!!ビンゴ!すみまっ!……」



咄嗟に口を塞ぎ、様子を伺う。


近寄りながら声をかけようとしたら
その人は寝ていたのである。