ノア side



「何故だ…」



あんな顔させて、泣かせてしまった…



コンコンとドアがなり、入ってくる



「失礼します…」



「ローレスか…なんだ…」



「音羽様が泣いて出て行かれましたが…どうなさったのですか?」



あった事をすべて話す。



「俺のそばに居るとあいつばかりが傷つく…それが嫌なんだ…耐えられぬ…だから安全な人間界に帰れって言ったら泣いて怒って出ていった…」



人間界に帰れてよかったんじゃないのか…


何故泣く、何故怒る、何故…喜ばぬ…




「それで…人間界に帰れば音羽様は幸せになると…?」



「あぁ…少なくとも俺といるよりはましだろう…元々人間側に居た者だからな…」



「音羽様は…ノア様の事を大事に思われています。頼りにだってしてるはずです。そんなノア様に帰れだなんて言われたら自分は邪魔者みたいに思われてしまったのではないですか…??」



ローレスはいつも素直に意見を述べてくる。


あぁ、そういうことか…


何してんだ俺


だから音羽は…


俺は本当に音羽を傷つけすぎだな…


自分がこんなにも小心者だったなんてな…


ごめんな、音羽…



「音羽を迎えに行ってくる…」



「行ってらっしゃいませ」



ローレスはニコッと微笑んで俺を見送った。