狼の王さまに笑顔を。


狼は体を低くし、私が跨がれるようにしてくれる。


私はエレナに支えてもらいながら狼に跨る。



「いい?この手を絶対離しちゃダメよ?」



「はーい!」



そう私の手を狼の体に掴ませる。


か、髪引っ張っちゃったりして痛くない??大丈夫なの?


でもエレナが言うんだから大丈夫か。



「じゃ!ノアが帰ってきたら話しておいてね!いってきまーす」



「…フフ、行ってらっしゃい」



ニヤニヤと笑いながら見送ってくれるエレナ。


狼は来た所をつたって降りる。