美樹ちゃんの勇気と花火大会の余韻で、なんだか私もいつもの私じゃないけど、これは勢いなんかじゃない。


――『言葉や行動にしなかったら相手には永遠に届かないわけだから、やっぱり最終的には美樹ちゃんが頑張るしかないのかなって思うよ』


自分が言った言葉が今さら返ってきて、きっと私にも勇気が足りていなかった。

だけど今一番強く溢れているのはハチのことが誰よりも好きだということ。だから私はハチと一緒にいたい。

もちろん、土壇場になって逃げるぐらいなら初めから言わないから、覚悟もちゃんとある。


「こ、心の準備が……」

「え、嘘。ごめん」

「あはは、冗談」

ハチがいたずらっぽく笑い、そのまま私の肩を抱き寄せた。そして柔らかくて優しいキスがハチから降ってくる。


見つめ合ったあとふたりでニコリと笑い、私たちは再び家に向かって歩きはじめた。


きっと今日は長い、長い夜になる。


私たちがそのあと、どうなったのか、

それは私とハチだけの秘密です。



《幼なじみとさくらんぼ7/8  END》