まわりみち

「ごめん、遅れた」

「みんなまだ練習してないから」

「じゃあ早く着替えて始めよう」

「OK!」

私たちが参加しているダンス部は由緒あるクラブ。

今までに卒業したセンパイたちは、いろいろな方面で活躍している。

私自身、ダンスに磨きをかけたくて入部したんだ。

「今日はどうする?」

「ハウスやりたいな」

「後でブレイキングもしようよ」

「わかった。じゃあ始めようか」

私たちのグループは4人。
このメンバーで文化祭などの行事に参加してる。

MDデッキから、リズム感の溢れる音楽が流れる。

音に合わせて、ステップを踏んでいく。

全ての振り付けが体中を駆け抜けていく。

「杏子、また上手になってんじゃん」

「そう?」

「ダンススクールに通ってると、差がつくよね」

「そんなことないよ…」

「あっ。杏子、照れてる〜」

「照れてないよ。あっ、琴乃」

「何?」

「今度、ダンススクールの発表会があるんだけど…。遙祐、来てくれるかな?」

「たぶん来てくれると思うよ」

「本当?」

「うん、本当」

「遙祐が来てくれるなら、練習がんばらなきゃ」

「そうだね…」