戦争、争いの無い世界を作るための戦争



分かっていても躊躇いはある



怖いと思う


でもやらねば



殺られる前に殺る



奪わなくては奪われる



やるしかないのよ



「さぁ、やってやろうじゃない」




小さく呟いて馬を走らせた




次々襲い掛かってくる敵兵を薙ぎ倒しながら前方を見る




先頭を走る覇陽は未だ無傷




白楊姉様も返り血がついているだけで傷は負っていない



そろそろ本拠地ね



あと残り数十mの所でそれは起きた



ドンッと派手な音と共に後ろから爆風と閃光が襲ってくる




何が起きた...?




興奮して暴れる馬を鎮めながら状況を把握しようとする




爆発音のした方角を見ると



大きく大きく地面に穴が空いていた



そこには肉片、血溜まり、鎧の一部



兵達が身に付けていた物が散乱していた




覇陽と数十名の兵をそのまま突撃させ私と白楊姉様は穴の空いた地点に引き返す



爆撃があったのは1箇所だけではなかった




5発はあっただろう




穴のある地点、周辺はまさに地獄絵図



私が...私が守りたかったものは?




兵の、その家族の笑顔じゃないの?




何も.....守れてないじゃない




覇陽の戦勝報告を受けて直ぐに死傷者の身元確認をした