異世界の男に恋をしました

反射的に体がビクッとした


今まで准司さんのそういう声を聞かなかった訳じゃない


でも、今回の声は今までの声とは違う


まるで戦前の炎牙兄様のような声


戸惑って戻ろうか、水を貰おうか迷った


祈さんが気付いて


「紅雨ちゃん、喉乾いた?」


って聞いてきた。


頑張って頷いたけどあまり上手く動かなかった


きっと、というか絶対日和ちゃんの事だよね


むしろそれ以外無い


祈さんから水を受け取る時手が震えていた


祈さんはそれに気付いて誰も使ってないソファに座らせてくれた


日和ちゃんが傷付けられた事に対して怒りを感じた


それに、准司さんの殺気混じりの声が怖かった


その二つの感情が、予知での疲れと共に襲ってきた


それで手が震えていたんだと思う