side紅雨
「ベニ...迎えに来たぞ」
ニヤリと笑って目の前の男は手を伸ばしてくる
金糸雀色の髪はローズグレイに変わり澄んだ眼も濁ってしまった
全身を黒で包み込み闇に溶け込んでいる
ズズッ...ズズズッ...
彼の背後にあった黒い蠢く物体はいつの間にかベニの足元に来ていた
足にまとわりつき、動くこともかなわない
ゆっくりと、しかし確実に闇に取り込まれていく
その恐怖にただ震えるしかできなかった
「嫌...お願い、止めてよ...」
泣いて頼んでも彼は動かない
全身を覆われ、苦しみ悶える
そこで目が覚めた
初めて倉庫で倒れた時に運ばれたあの部屋だった
そうだった。また倒れたんだった。
気を失う前に聞こえたあの声
「ベニ...迎えに来たぞ」
ニヤリと笑って目の前の男は手を伸ばしてくる
金糸雀色の髪はローズグレイに変わり澄んだ眼も濁ってしまった
全身を黒で包み込み闇に溶け込んでいる
ズズッ...ズズズッ...
彼の背後にあった黒い蠢く物体はいつの間にかベニの足元に来ていた
足にまとわりつき、動くこともかなわない
ゆっくりと、しかし確実に闇に取り込まれていく
その恐怖にただ震えるしかできなかった
「嫌...お願い、止めてよ...」
泣いて頼んでも彼は動かない
全身を覆われ、苦しみ悶える
そこで目が覚めた
初めて倉庫で倒れた時に運ばれたあの部屋だった
そうだった。また倒れたんだった。
気を失う前に聞こえたあの声

