異世界の男に恋をしました

優葉の声であの日の記憶は煙となって消える


「元々紅華の姫ってことで変な目で見られるのにもっと注目されても困っちゃう」


これからもっと周りからの視線を感じるんでしょうね


「紅雨のこと頼むぞ」


そう言って准司さんは行ってしまった


その姿を目で追っていたらしい


「総長じゃなくて寂しい?」


若干、面白いもの見つけちゃったみたいなトーンで言われて慌てて否定する


「いや、そうじゃないよ?
准司さんと走った時ちょっと格好良いなって...思っただけ...?」


「何で最後疑問形なの」


そう笑う2人は何か分かってるみたい


「紅雨さぁ、自分が総長見る時の顔分かってる?」


分からなくて首を軽く傾げると


ちょっと悩んでから優菜が口を開く


「言い方が合ってるか分かんないけど、女の顔してるよ」


女の顔...?


そんな単語久々に聞いた


春鑼と一緒に居た時よくそれを言われていた


白楊お姉様曰く「恋をしている人の顔」