異世界の男に恋をしました

そうやって悩む准司さんは今まで見たことの無い顔をしていた


そういえば春鑼も困った事があったらこんな顔してたっけ


でもちょっと違うんだよね


「とりあえずゴールまで付いてきてくれ」


お題は言えないけどって感じ...


仕方ない。そんな顔されたら行くしかない。


「分かりました。全速力で行きますよ。」


准司さんが付いてこれるスピードでね


前は2人


ダッシュすれば追い越せる


「当たり前だろ」


そう言って私の左手首を力強く握ると走り出した


周りの人の視線、女子の悲鳴にも近い声


急な事に驚いて少しもたついてしまったけどすぐに持ち直した


手を引かれたまま前を走る2人を抜かしてゴールテープを切った


「ありがとな」


ニヒルな笑みを浮かべて目線だけこちらに向けて短くお礼を言ってくる