異世界の男に恋をしました

「紅雨ちゃん、紅雨ちゃん、紅雨ちゃぁん...」



「いい加減諦めろって、祈。バッサリ切り捨てられたろ?」



祈さんって粘る人だったんだね



流石にこんなに名前を連呼されちゃ無視も出来なくなりそう




車っていう四輪駆動の走る物体のシートに身体を預けて流れる景色を見る




そこに祈さんが根気強く話し掛けてくる



そういえば紅華っていうのが何か分かったよ



暴走族っていうバイクに乗って走り回って、喧嘩ばっかりしてる人達の集まり



紅華はこの辺の暴走族のどこよりも強いらしい



よく分からないけど



今紅華のメンバーさん達がいつも集まってる倉庫に向かってるらしい




日和ちゃん曰く皆優しいから大丈夫




何が大丈夫か知らないけど




「そういえば紅華ってチームって事ですよね?
長やそれを補佐する方はどなたですか?」



運転席の横、助手席に座って窓の外を睨む准司さんに聞いてみる




「じゃあ紅雨ちゃんはどんな人だと思う?」



質問を質問で返すのは鴨さん



「質問で返しますか?そうですね...私の予想ではあなた達が上に立つ人だと思っています。
准司さんが長。他の皆さんが補佐でしょうか」



ちょっと聞かれた事と答えが違ったけど嬉々とした表情の鴨さん



「ご名答〜」



何がそんなに嬉しいのか



キッと車を停める音



「着いたよ〜」



そういえばこの運転手さん誰なんだろうか



「いつもありがとね、眞弥!!」



日和ちゃんに眞弥(マヒロ)と呼ばれた運転手さんは照れたように笑うと



「まぁ大事な女に変な虫が付かないようにしてるつもりだし。帰りも電話してくれよ?迎えに来るから」



優しい笑顔を日和ちゃんに向ける


ちゅっとおでこにキスを落とすと真っ赤になっている日和ちゃんを撫でて車に乗り込む



「てめぇら日和に手ぇ出したら、分かるよな?」



黒い笑みで、低い声で皆...特に祈さんを見て念を押す




あら、これは祈さん前科がお有りのようで



青い顔しながら首を縦に激しく振ってる