side紅


ピピピピピピッ...バンッ



強く叩いちゃったけど大丈夫...よね



ちゃんと動いてるし



今は午前6時



気分もスッキリ




今日から高等学校に行かなきゃいけないらしい




部屋の隅に掛けてある紺色のブレザーと同色のセーター。



スカートには桃色と水色のチェック模様



裾には校章が刺繍されている



水色のシャツは真新しくて襟が少し固い




着てれば馴染むでしょうね




着替えている間にトーストが焼けた



トーストを口に運びながら学校から送られてきた資料を読む




琴城高等学校-KINJOU high school-




きんじょうって読むのね




先ずは職員室に行かなきゃいけないの?



面倒くさそう




髪をいつもと同じ(耳を直線で結んだ所)で纏める




春鑼の形見の紅紐




これからはこれで結おう



いつでも春鑼が側に居てくれる気がするから



少しキツめに紐を縛る




髪の毛...ちょっと切った方がいいのかしら



腰とかお尻とかそんな長さじゃない




もう直ぐ膝裏に届いてしまう




いつもだったら何も思わないけどここは焔帝国じゃない



ちょっぴり切ろう



時計を見ると7時5分



今出たら道に迷っても大丈夫だろう



鞄の中に必要な物を詰めて戸締りを確認してから靴を履く




「よし...行ってまいります」




誰に言うでもなく自分に喝を入れるように呟く



外は快晴



上々の転入日和ね



新たな日常へ1歩を踏み出した