「守られるだけは嫌だ」


そう駄々を捏ねて困らせてしまったけど結果よければ全て良しってね


今は紅華の下っ端君の中でもトップレベルで強い子達と見回りをしている


談笑しながらだけど皆の目は何かを警戒する目付き


動きやすい格好でって言われたから白のスウェットパンツに黒のパーカーを着てきた


「動きやすい且つお洒落っすね」


なんて褒められて少し嬉しかったのは秘密


「紅雨、グローブいる?」


さっちゃんがグローブをはめながら聞いてきたけど


「何でグローブ?」


「殴った時に骨の部分とか皮剥けて痛いぞ?」


なるほどね


でも私は要らない


「いいや。相手を殴る時は自分も痛みを感じなきゃフェアじゃないと思うの」


痛い思いをさせるのに自分はしないなんてね