「着いたのかしら」




そう呟いてしまうほど日本に着いたことに実感がない



だって転送魔法陣で送られるんだもの




普段と変わらないわね




焔帝国では見たことの無い背の高い建物



ビル...って言ったかしら?




お父様が戸籍とか仕事とか全部手配してくれたみたい




ここの近くに住まいがあるらしいけど...




あ、あれね




豪勢とも貧相とも言えないごく普通のアパート




らしい。全部お父様の受け売りだから私自身思った事じゃない




これが普通だって事は初めて知ったし




でも入ってみたら私の部屋と同じくらい広い空間があった



「広いわね」



ここまで来るのに指紋認証と顔認証があった



意外とセキュリティシステムはしっかりしている



ここなら安心して暮らせそう



荷物は服と髪留めとか装飾品、愛読書、春鑼の形見



これだけだから荷解きは10分位で終わった



「本当に、どうしてこの世界の物がお父様の手元にあるのかしらね」



地図もそうだけどお金も服もこの世界の物がお父様の手元に沢山あった



どうして?



考えるのは止めよう



明日から学校に行く予定



ここら一帯では有名な高等学校って言っていたけれど、どう有名なのかしら