盗間礼安子さんの日常

「おはよー、安子。今日もなんか盗まれた?」
「おおー貴子おはよ。今日はバック盗られたよ。
そっちは?」
「こっちは20人かなー?」

安子さんに話しかけてきたのは同僚の叙事緑貴子さん。じょしりょくたかこさんと読む。
そして彼女の体質(?)は

「大変だね、毎日ナンパされるのも」
「一駅しか離れてないのに3時間前に行かなきゃいけないよ。お陰で毎朝寝不足。」

お分りいただけたでしょうか。そう、彼女は異常にナンパされやすいのだ。いや、体質じゃなくて顔がいいだけだろというツッコミはなし。だって20人ですよ?これは体質でしょう。
絶世の美女なのは否定しない。







「それにしてもさ、よくやっていけるよねー。毎日財布盗まれててさ」
「お昼ご飯には困るよー。お弁当持っていっても鞄ごと盗まれるし。おかげで毎日ひもじい」

しかし安子さんは空腹に慣れた。
でも太る。なぜって?夜にたんまり食べるから。

「普段どうしてんの?」
「ネットスーパーで土日に買い込む」
「なんか引きこもりみたい…」
「引きこもりバカにするな!」

謎の剣幕。そんな時期があったのかな、安子さん。

「ご、ごめん」

貴子さんは悪くない。大事だからもう一回言っておく。貴子さんは悪くない。