盗間礼安子さんの日常

場所は変わって交番。

「えーと、何て読むんですか?」

若い警官が難解な名前が読めないようだ。

「難解…?そのまんまですよ盗間礼安子です。」
「え…?」
「あほ、ぬすまれやすこさんだよ。ここの常連。」
「せ、先輩!あの、常連って?」

先輩登場。どうやら彼女…安子さんをご存知のよう。でも常連って店じゃあるまいし。新人君の言いたいこともよくわかる。

「あ、私よく物を盗まれるんです」
「は?」

新人君の間抜けな声。
その後軽く先輩さんに叩かれてたけど確実に彼は悪くない。

「えっと、つまりちょろい」
「違います!あくまで体質です!」

安子さんの謎の主張。
いや、体質じゃないだろ…。それに盗まれやすい体質って何だよ…。というツッコミは放っておきましょう。

「えーと安子さん。定期はこの前言ったようにしてる?」
「ええもちろん!ちゃんとズボンに引っ掛けてありますよ。1週間盗まれないのなんて初めてです!」
「い、1週間?!」

慣れているはずの先輩さんも軽く引く。

1週間物を盗まれないだけで喜ぶとか。
被害総額…いや、何も考えない。