小学生の頃から、気が付けば隣にいた。


いわゆる、幼馴染という存在で。



転校して来たばかりのあたしに、何かとちょっかいを出してきた男。それが健人だった。



第一印象はうるさい奴。決してよくは無い。



けれど転校初日、学校からの帰り道が分からなくなってしまったあたしの手を引いて、家まで送ってってくれたのを今でも覚えている。




『お母さんがねー曲がり角の所に引っ越してきた人がいるって言ってたから、多分そこが莉奈ちゃんのお家だよー』




って、屈託の無い笑顔で笑いかけてくれてた。



家が近所だったあたし達は、小学生の頃はよく一緒に登下校してた。



中学に入ると、健人はサッカー部に入り帰りが遅くなるため、一緒に帰る機会は減ったがそれでも、部活が無い日は一緒に帰る事も少なくなかった。





そんな幼馴染は、なんだかんだモテていた。