「ねぇ!!どこなの!!!」




輝夜さんは黙っている




鈴峰だけが声を張りあげてる




「…影狼だ」




かげ…ろう?




「いやぁぁぁぁぁあ!!!!」




崩れて叫ぶ鈴峰




輝夜さんは目を逸らす




なにがあったの?




だれ?影狼って?




聞きたいのに聞けない




過呼吸を引き起こすほど鈴峰は泣き叫んだ




私だけが置いてけぼり…か。




こういう時、家族だったら本当の、家族だったら




きっと、きっと…!




悔しさと哀しさと色んな感情が混ざる




鈴峰の側にいて支えてあげたいのに




そこにいる鈴峰は知らない人で




体が動いてくれない




ねぇ、聞かせてよ。




鈴峰のすべてをー。




でも、それは私が想像していたのとはかけ離れすぎていたの…




知らなかった、鈴峰にも過去が捨てられない辛い過去があったなんてー。