side:リオン

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凄い味のドロドロな何かが口に入る
それと同時に感じる柔らかい感触

涙で顔面がぐしゃぐしゃのアイツ…ルナを見たを見た気がする

そのあとプツリと意識が途切れ…


再び意識が浮上する
そして、周りのザワザワ音に目が醒める


「…父上…?」


俺を心配そうに見ていたのは国王陛下
俺の父上


「り、リオン!!大丈夫か?!痛い所とか無いか?!」


腕がチクリと痛む
そこは…毒蛇に噛まれた所だ

でも、それ以外に痛みはない


「大丈夫…です」


そう言って上体を起こす
すぐに近くにいたカロンが支えてくれる


「毒蛇に噛まれたのを覚えていますか?」

「あぁ…覚えてる」


馬小屋の頭上
鉄柵に絡まるようにそれは居た

ポプリが気づいた
だから俺も気づいた

気づけばルナを庇って噛まれていた