「どうしよう!アイル!!緊張して来た!」


やっとラルム様と面会できる今日
ラルム様の眠ってる姿しか知らない私は緊張していた


「何を緊張してるんですか?ラルム様は噛み付いたりしませんよ?」


私の髪を綺麗に整えているアイルが言う
が、別にラルム様に噛まれる心配してる訳じゃない


「リオン様のお兄様だよ?!しかも、絵本から出て来たような綺麗な王子様!ドキドキする!」


一体、どんな声をしているのか
どんな風にお話をするのか
リオン様が誇るお兄様
絶対、粗相をしてはいけない
緊張する!


「ドキドキな所…大変申し上げにくいのですが…」


髪を整える手を止めて、アイルが言いにくそうに言う


「ん?どうしたの?」

「リオン様が、だいぶ妬いているようです」


っと、アイルが視線を送る
その先には、大量の書類に囲まれたリオン様

先ほどから、全く量が減っていない
ペンで机をトントントントンと叩いている


「…リオン様、手が止まってますよ?」

「お願いだから、ちゃんと俺の所に帰って来てね?」


そんなの当たり前なのに
本当、妬きもち焼きですね