アイルに連れられ城内を歩く
ガルデニアの城も大きかったけど…その2倍はあるエムロードの城
1日で覚えるのは無理だな
「ココは書庫です。自由に閲覧できます」
「え?いいの?!」
本好きなんだよね
植物の図鑑とかあるかなー?
動物の図鑑もいいなぁ…
でも、素敵な物語も捨てがたい
書庫に夢を膨らませていると…
背後に気配を感じた
「ふーん…あなたがルナ様ですの?」
名を呼ばれ振り返ると、そこにはド派手なドレスを纏った女性がいた
優雅に扇子を扇いでいる
すごーく上から目線
その女性の姿を見たアイルが声を上げた
「ロージィ様。ルナ様の前で失礼です。態度を改め下さい」
アイルが言うと、ロージィが鼻で笑う
「あなた…いつまでココにいるの?王子を守れなかった出来損ないの侍女のくせに」
「っ!!」
ん?王子を守れなかった侍女?
どーゆうこと?
「ルナ様もお気をつけて?この侍女は…」
よくわかんないけど…
アイルが泣きそうだ
「ロージィ様。私の知識不足でどなたか存じ上げませんが…私の侍女を侮辱する事は許しません」
「あら?いいんですの?その侍女の事を教えて差し上げようとしているのに」
「不要です。私の侍女を侮辱するのは、私を侮辱したのと同じと思ってください。…次はありませんよ」
「……出過ぎた真似を致しました。お許しを…」
納得いかない顔をしたままロージィは去っていく
あれは一体誰なんだろう?
なんか…アイルの事を知ってるみたいだったけど…
ちらっとアイルを見ると、怒りと悲しみと悔しさ…それがごちゃ混ぜになった顔をしていた


