ラルム様の部屋に入る
そこにはラルム様がベッドに横になっている
さっきと変わらない光景
ううん…違う…
「…兄…さん…?」
リオン様が驚いている
私も驚く
ラルム様の目が開いている
「兄さん…俺がわかる…?」
リオン様が問う
すると、ラルム様の目が動きリオン様をしっかり見つめた
「…リ…ォ…」
ほとんど声にならない声だった
でも、口の動きでわかった
「兄さんっ…よかったっ…」
リオン様の瞳から一筋の涙が流れた
それを見て私も嬉しくて涙が出た
私はそっとリオン様のそばを離れて、扉付近に座り込むアイルの元に行く
「アイル…大丈夫?」
「ルナ様…本当にありがとうございます…私っ…ずっと…ラルム様が目を覚まさなくて…私のせいで苦しくてっ…本当に、ありがとうございますっ!」
うわーんっと声を上げて泣くアイル
ずっと責任を感じていたアイル
アイルがやっと解放されたんだ


