「リオン様っ!!」


ノック無しにカロンが飛び込んできた
普段なら無礼で怒るが…カロンの様子がただ事では無いことを示している


「正門に…ポプリが!!」

「?!!」


俺は走った
ルナを拐った騎士は言っていた

白い馬…ポプリに襲われたと
もしかしたら、ルナは生きているんじゃないか

ポプリに乗って帰って来るんじゃないか?

正門にたどり着く
そこには本当にポプリがいた


しかし…そこにルナの姿はない
当たり前か…俺は何を考えているんだ


「ポプリ…おかえり」


ポプリを撫でる
体に小さな傷が複数付いている
頑張って帰ってきたんだろう


「治療しよう…おいで、ポプリ」


ポプリを馬小屋に連れて行こうと引っ張る
が、ポプリは動かない

動かないどころか後退する


「ポプリ?」


ポプリが俺をじっと見つめる
そして、また一歩後退する

俺をどこかに連れて行こうとしているのか?


「乗っていいんだな?」


そう言うとポプリは短く鼻を鳴らす
それを合図に俺はポプリに乗る

俺が乗り手綱を持つとポプリは走り始めた


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