「まだ、一部の人間が残り捜索していますが…」
カロンが言いたい事がわかった
ルナの生存は…絶望的だ
あの滝から落ちて生きている可能性は低い
生きてたとしても…怪我をし血を流せば血に敏感な猛獣に襲われるだろう
あの川の下流
滝から下の下流には肉食の動物が多く生息している
川には肉食の魚も生息している
何人もの人がそこで命を落としている
「カロン…まだ捜索してる者を戻せ」
「リオン様…でも…」
「ルナは絶望的だ…他の者を危険に晒すのは良くない」
「…はい、伝えます」
それだけ言うと、カロンは静かに部屋を出た
扉が閉まった瞬間
堪えてた物が溢れる
「っ…ルナっ」
湿ったドレスと髪飾りを抱き締めると
ルナの笑顔が思い浮かぶ
何度も俺の名前を呼んだらしいルナ
泣いていたらしいルナ
ごめん…ルナ…
助けてあげられなかった…
助けてあげられなかった後悔
怖い思いをさせてしまった後悔
色々な後悔が涙となり流れる
「ごめん…ルナっ」


