「騎士は…ずっとルナ様に対して好意を抱いていたらしいです。しかし、ルナ様は王子…リオン様の妻です。だから、最初は見てるだけで幸せだったそうです」
フツフツと嫉妬が湧いてくるが…
抑える
「しかし、一週間前…彼が非番の時、町の居酒屋である女性に会ったそうです。その女性は、彼に言ったそうです。ルナ様は王子に騙されている。王子はルナ様を愛していない。愛していないのに城に縛り付けているのだと」
なんだそれ…
確かに最初は愛してなかった
でも、今は…
「さらに、女性は言いました。ルナ様を解き放てと。解き放ち…自分の物にしてしまえと」
拳をギュッと握る
握ってないと暴れてしまいそうだ
「そして、彼は女性から助言を貰った。リオン様が出張に赴いたその日に拐えと」
なぜその日なのか…
なんとなく分かる…
俺の護衛に精鋭の騎士が多く付く
そうなれば、若干城の警備が手薄になる
だからだろう


