見た感じいい人そうだったので、とくに警戒心もなくおじさんと二三の会話を交わした。



「そっかぁ…じゃあ駅まででよかったら乗せてってあげようか?」



おじさんは小学生の息子さんに頼まれてゲームソフトを買いに来たんだけど、お目当てのものが売り切れていたため、これから駅前にある他のお店に行ってみるらしい。



そのついでにあたしを駅で落としてくれると言った。



「…いい…んですか?」



正直まったく面識のない人の車に乗るのは不安だった。



普段なら絶対にそんなことしない。



だけど…



今日のあたしには背に腹はかえられない事情があった。



用事があって19時までに実家に帰らなきゃならなかったんだ。