静かにタバコを吹かす福嶋くんの後ろ姿を見つめる。
思えばずっとこの距離だった。
あたしに気を遣ってるのか福嶋くんは一晩中ずっとベッド脇に座っていた。
福嶋くんのことだから、こういう状況だしある程度の意地悪は覚悟してたんだけど、
結局、昨日の夜あたしを抱きしめながら話を聞いてくれて以来、指1本あたしに触れて来なかった。
ふいに背中に伝わるあの温かい体温を思い出す。
小さい頃、よくお兄ちゃんたちの膝に乗っかって本を読んでもらってた。
あの安心する感じ、安心する体温。
そういえばあたし、どうして福嶋くんに触れられるのは平気なんだろう。
大好きな西崎さんでさえ、いまだに触れられるとひどく緊張するし、身体が震えてしまう。
昨日なんか抱きつかれた瞬間気絶しちゃったし。
なのに福嶋くんに対しては抱きしめられたって全然平気だった。
…何で?
どういうことなんだろう?

![Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.809/img/book/genre1.png)
