――結局、その後も不毛な言い争いを続けていたあたしたち。
気づくと空が白み始めていた。
「…もう福嶋くんのせいで寝不足じゃん」
一晩中ケンカしてたあたしたちはさすがに明け方にはぐったりしていた。
あたしなんかもはや自分の部屋にいるときのように福嶋くんの部屋でくつろいでいる始末だし。
もうここが福嶋くんの部屋で、福嶋くんが男の子ということも、しかも2人きりだということも、さらには福嶋くんのベッドで寝転んでいようが何しようが警戒心なんて微塵も抱いていなかった。
「…おかげで余計なこと考えずに済んだろ」
「え…」
カチッとライターでタバコに火をつける福嶋くんの後ろ姿を見つめる。
おかげで余計なこと…
確かに福嶋くんと言い争ってる間は余計なことを考えずに済んだ。
西崎さんのことで気分が落ち込むことも泣くこともなかった。
もしかして福嶋くん、あたしが余計なこと考えないようにしてくれてたの…?

![Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.809/img/book/genre1.png)
