――先輩の頼みはこうだった。



不注意で階段から足を滑らして捻挫したから自分の代わりに予約が入ってる客に会ってくれないか?



報酬はもちろん100%やる。



本番OK。



『…いや別にヤんなくていいし』



カネもらってスルとかマジありえない。



『いいのか? かなりの美人だぞ? 着痩せするタイプで脱いだらかなりいいカラダしてるし』



『…興味ないです』



『…まぁおまえのことだ、女には困ってないよな? その容姿じゃヤリたい放題だろ、オレのパーツと取り替えてほしいぜ!』



ガハハハと下品に笑う先輩に対して俺は小さくため息をついた。






『…俺、好きな女いるんすよ』






『え?』



『今は…そいつ以外考えられない』



他の女になんかまるで興味ない。



どんなに顔が良くても、どんなにイイ体でも、どんなに性格が良くても、今は全く他の女に目がいかない。







俺は…





俺の目は……今はあいつしか見ていない――