「…アタシ、男は絶対に自分から追わない主義だったけど。もう28だし、はっきり言って後がないの」 「うん」 「これでゴールを決めたいの」 菜月は、背中を押されたかのようにすっくと立ち上がる。 「菜月?」 「アタシ、行ってくる!」 「は? 行くってドコに?」 「YBS証券。彼の会社に押しかけて、直に顔を見て思いの丈をぶつけてくる!」 菜月はそう言って千鳥足で店を飛び出して行った。 「あ! おい菜月!」