綾乃≫≫≫謎の女性





6月ももう半分が過ぎた。



今日は久しぶりの梅雨の晴れ間。



外は真夏の太陽が燦々と降り注いでとってもいいお天気♪



ウチにいたら張り切ってお洗濯しまくっちゃうんじゃないかな?ってほどの絶好の洗濯日和なんだけど、、、



あいにく今日は仕事なんだよね。



でも気分は憂鬱じゃない。



だって…





あたしは制服のポケットから取り出した1枚のFAXを眺めてニンマリする。



今朝本社から送られてきたFAX。



それは社員旅行の日程と参加者リスト。





西崎さんがこれまで毎年北海道組になっていたことから、今年も絶対北海道だろうと睨んであたしも同じにしようって決めてたのに、どういうわけか福嶋くんも北海道にするって一歩も譲らなかったんだよね。



店長と副店長は同じ行き先を選ぶことができないから揉めに揉めたんだけど。



結局話し合いで決着がつかなかったから最後は恨みっこなしのじゃんけんってことになって。



結果―――あたしの敗北、福嶋くんの勝利で、あたしが沖縄組、福嶋くんが北海道組ってことで決着がついたんだ。





あれから2週間近く、停滞する梅雨前線とともに気分が沈んでいたのに。





なのに神様はあたしを見捨ててなかったみたい――





だって今日、本社から送られてきたFAXには…



沖縄組の参加者リストのなかに…



まさかまさかの…








《流川店 西崎慧吾》の名前――…