西崎さんと相合い傘なんてものすごく嬉しかったけどめちゃくちゃ緊張した…



2人の距離がすごく近くて、
西崎さんの傘を持つ手とあたしの肩が何度も擦れ合って、
そのたびにあたしは意識が飛びそうになった。



途中で雨脚が強くなってしまい、
やっぱり1本の傘に2人入るというのは無理があって、駐車場に着いたときには腕やスカートの裾とか靴がびしょ濡れになっていた。



「ほら」



車に積んであったタオルを西崎さんが貸してくれた。



「ありがとうございます」



肩や腕を拭き終わると
西崎さんに『貸して』と言われ、言われるままにタオルを貸す。



西崎さんもあたしが使った後のタオルで肩や腕を拭いた。



そうして風邪を引くといけないからって
車に積んであった薄手のジャケットを貸してくれた。



優しいなぁ…



身体が西崎さんの匂いに包まれて幸せな気分になった。