村瀬の友達は全員あの海岸の近くが地元ということで帰る方向が一緒の俺に村瀬を託して…いや正確には押しつけてそれぞれ帰っていった。



『綾乃とバイト先おんなじなんですかー?』

『きゃあ偶然〜。たまたまお休みの日に会うなんて運命感じちゃう』

『あの〜もしよかったらこのコ持ち帰ってくれませんかぁ? なんだったら“女”にしてくれちゃっても構わないので〜』






・・・村瀬、友達選べよな。






あのあと全然関係ねーのにすっかりソノ気になったノブアキを否応なしに砂に埋めてきたけど…



…あいつのことだ。



冥土の土産にと供えてやったギャル16人、人妻10人、OL13人、セレブ6人、大学生22人、その他(おばちゃ…もとい熟女)11人、計78人の連絡先を見つけたら俺がやったことなんてすべて記憶の中から吹っ飛ぶだろうな。





…ノブアキ、あの町で元気に暮らせよ。









―――…

だいぶと薄闇に包まれてきたさほど混んでいない海岸沿いを車は軽快に走る。



あーー腹減ったなー…



車が信号にひっかかる。



信号待ちの間にタバコに火をつけ窓を開けた。



なんか食って帰るかな?



「…ねぇ福嶋くん。あれなぁに?」



「あ?」



ふと窓の外を指差す村瀬。



なんだ? なんかあんのか?



「あの丘の上の建物」



「丘の上?」



どこだよ?



「あそこ。
あの雰囲気の良さそうな建物。なんか幻想的なライトアップされてるじゃない?」



「幻想的?」





・・・





・・・・・ってお前あの建物は。





・・・





ふっ…
面白ぇこと思いついちまった( ̄ー ̄)