気がつけば家まで戻ってきていた。


カエルは家を見上げる。


僕は「あっ」と、声を上げた。


祖父の家があったのは、今僕が暮らしている町ではない。


「この家を交換してきたの?」


「あぁ。隣の【捨てられた町】からな」


「どうして……?」


「この家と共に俺は捨てられたからだ」


カエルの言葉に僕はグッと返事に詰まった。


カエルを捨てたのはこの僕だ。


「勘違いするな。ルキを怨んでなんかいない」


カエルはそう言いながら家の中へと入って行く。