「本の駄菓子屋ってなに?」


僕がそう聞いているそばからカエルは駄菓子屋のガラス戸を開けてしまった。


「よぉ、元気か」


カエルが陽気な声を上げながら店へと入って行くので、僕はおずおずとその後に続いた。


店の中はこじんまりとしているが、商品の品ぞろえはすごかった。


竹とんぼなどのオモチャは天井から吊るされ、手作り感のある棚には色とりどりの駄菓子が並べられている。


けれど不思議なとこに、僕が見たことのあるような駄菓子は1つも置かれていなかった。


あるのは大根チップスだとか、ニンジンチップスだとか、大きな袋に入ったお菓子ばかりだ。