カエルはそう言うと、手の中にある種を見せて来た。


「これは人間に間引かれた果物の種だ。今日はこれと引き換えにおやつを買いに行く」


「おやつもあるの?」


「もちろんだ」


カエルは当然だと言いたげに僕の前を飛び跳ねていく。


その後を追いかけていくと、一軒の駄菓子屋の前にたどり着いた。


木製の看板にマジックのようなもので【本の駄菓子屋】と書かれている。


店先にはひび割れたブルーのベンチと、色あせたスポーツドリンクの看板が置かれている。