そのどれもが瓦屋根のレトロな建物だという以外に、今の日本と変わらない風景だった。


「こんなのただの暇つぶしだ」


カエルがしれっと言ってのけた。


「暇つぶし?」


「そうだ。ここに来た魂は50年間ここに止まる事になる。毎日毎日ボーっとしてたら暇で暇で仕方ないだろ」


それは確かにそうかもしれない。


50年間何もせずに生き続けるというのは考えただけで拷問のようだ。


「だからこの町の連中は人間の真似事で商売をしてるんだ」


「通貨は?」


「そんなものはない。物々交換だ」