それが、山に迷い込んできた人間の魂を食べることだったのだ。


人間に捨てられた悲しみと怒りにまかせて、人間への復讐を決意していたのだ。


「あの女もかわいそうな女だ。人間はあの女を捨てる時に蛇用のゲージに入れたまま山に放り投げたらしい。ゲージの中で身動きの取れないまま、女は野生動物に襲われて死んだんだ」


カエルはそう言い、ため息を吐き出した。


その手にはさっき僕が入れた湯呑が握られ、湯気が立ち上っている。


「マヤは辛い思いをしたんだね」


「そういうことだ」


カエルはお茶をひと口飲んで、その熱さに舌を出した。