その中でも一番大好きだったのは汽車のオモチャで、電池でレールを走るものだった。


あれは一体どこへ行ったんだっけ?


確か、ここを取り壊す事になった時一緒に引っ越しをしたはずだ。


その時にいらなくなったオモチャは捨てて……。


そこまで考えて僕は「あ!」と、声を上げた。


知らず知らずの内に上半身を起こし、暗い室内を見つめる。


そうだ。


僕は引っ越すときにいくつかのオモチャを捨てた。