カエルってこんなに表情豊かだったんだ。


僕はのんびりとそんなことに感心していた。


「ここは【捨てられた町】それを忘れるな」


カエルは小さな声でそう言って、また飛び跳ねて移動を始めたのだった。



僕は結局祖父の家に戻ってきて、2階の部屋で体を休める事になった。


2階の一番奥の部屋は僕が幼い頃に使っていた部屋だったけれど、部屋の中はとても殺風景だった。


ガランとした空間に昔ながらの大きな衣装棚と、部屋の隅に畳まれた布団があるだけだった。


「昔はもっと沢山物があったと思うけどなぁ」


僕は布団に入ってそう呟いた。


幼い頃使っていたオモチャが蘇って来る。


ぬいぐるみや積み木や絵本。