「カエルは舗装された道を歩けば大丈夫だって言ってたな」


僕はコンクリートの地面をしっかりと踏みしめながら山を登りはじめた。


舗装された山道にはちゃんと街灯もついていて、足元は明るい。


きっと大丈夫だ。


この山を登り終える頃には目も覚めているだろう。


そう思って軽快に歩いていく。


森の中から時折聞こえて来る唸り声や、鳥の声を聞いては足を止めその方向を確認した。


なにもない。


大丈夫大丈夫。