起きた時にまでその暗さを引きずってしまうからだ。


「どうやったら目が覚めるんだろう」


僕は1人呟きながら町の中を進んでいく。


家の明かりの向こうに人の影が動き回っている。


僕も早く家に戻ろう。


こんなに長く鮮明な夢を見たのは初めてだから、起きた時にみんなに自慢できるかもしれない。


そんな事を考えながら歩いていると、山の麓までやってきていた。


不意に不安が胸をよぎった。


色々なもので継ぎ接ぎになった化け物の姿を思い出す。