いや、違う。


居場所がないから自分から死ぬ事を決めたハズだったんだ。


なのにどうしてだろう?


今の僕はあの町に居場所があるような気がしていた。


「待てよ」


田村の背中へ向けてそう言ったのは良だった。


良は眉を吊り上げ、今まで僕が見たことのないくらい怒りをあらわにしている。


「なんだよ」


田村が立ち止まって振り返る。


同時に良が拳をにぎりしめていた。


あっと思った次の瞬間。