僕は小さな声でそう答えた。


だけどネックレスを見る事ができない。


目を合わせて、持ち主の名前を聞くことができない。


「勇気を出せ」


カエルが言う。


その言葉に僕は一瞬にしてあの時の事を思い出した。


勇気を出した。


そうだ、僕はあの時に確かに勇気を出したんだ。


「ははっ……」


思わず、笑い声を漏らしていた。


カエルが怪訝そうな顔をこちらへ向けている。