「それはきっとカエルの涙だよ。でも今はほら、泣き止んでるだろ」


僕はそう言い、カエルを見せた。


傘はまじまじとカエルを見つめる。


「いえ、涙なんかじゃありません。もっと大きな雨で。私見たんです、その雨がこの家に入って行くのを」


傘はそう言い、目だけで家の中を探し始めてしまった。


「雨の形をしたキラキラしたものを見つけたら、あなたのために取っておくと言ったじゃないですか」


僕は呆れてそう言った。


約束を守らないと思われているのかもしれない。