カエルの涙がひいて来た頃、玄関先で物音が聞こえて来て本が走って行った。


耳をそばだてて聞いていると、青い傘の声が聞こえて来て僕とカエルは目を見交わせた。


今度はカエルの涙に引き寄せられたのかもしれない。


そう思い、僕たちは玄関へと向かった。


案の定、青い傘が玄関先に立っている。


「あ、この人、家にあげてほしいって言ってるんだ」


本が困った顔をしてそう言って来た。


「家に?」


カエルがあからさまに表情を歪めた。


「家の中に雨の形をしたキラキラ光る物があると思うんです!」